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壁用防音パネルを設置した間仕切り壁の実験動画をYouTubeとインスタグラムに投稿しました。
前回は騒音計で測定しましたが、今回は周波数で測定していて、間仕切り壁の実験③になります。
▼この記事の実験動画

▼インスタグラム

 間仕切り壁の実験動画は①~③まであるので、①からご覧なり参考にしてください。
①と②の動画についての詳しいことは、このブログの前回に書いています。 
▼①実験部屋の紹介②騒音計計測の実験の記事

簡単におさらいすると、築28年、木造2階建て(在来工法)、2階6畳の部屋の間仕切り壁に、ホームページ掲載の壁用防音パネル(通常)を設置して実験しています。

設置はDIY初心者がやったと仮定して、効果を上げる為の細かな作業はしていません。

間仕切り壁も軽くて振動しやすく、中に断熱材などはなく空洞になっています。
▼壁を振動させた動画

https://www.instagram.com/tv/B_9QSVkp_TH/?igshid=1kfbny9hk6i21


それでは今回の実験について詳しく書いていきます。
○音漏れ対策
壁と床の防音された部屋で、壁から1メートルのところで音を出して壁に当たっている音と壁裏(隣の部屋)に漏れている音を周波数で測定しています。
音の高低が見れるので、前回の騒音計の測定よりも正確に効果が分かります。
効果は低音域、中音域、高音域
の3つに分けて出しました。(減少した最低値と最大値)

低音域 20Hz~600Hz: 約19dB~38dB減
    

中音域 700Hz~2kHz: 約35dB~55dB減


高音域 3kHz~20kHz: 約40dB~60dB減

音漏れ対策はこのような結果になりました。
高音域は目で見て確認できるところで出しています。
最高音付近(10kHz以上)は測定前と変わらず反応していないので、ほとんど音は漏れていないという感じです。



騒音対策
こちらも条件を同じにして、防音されていない部屋で壁から1メートルのところで音を出して、壁に当たっている音と壁裏(防音された部屋)に漏れる音を測定しています。

低音域 20Hz~600Hz: 約21dB~42dB減

中音域 700Hz~2kHz: 約39dB~60dB減

高音域 3kHz~20kHz: 約40~65dB減


騒音対策の場合はこのような結果になりました。
こちらも最高音付近(10kHz手前)から反応していないので、音は漏れてきていないという感じです。

一般的に人が最も敏感に感じるところは中音域と言われています。


○まとめなど
2つの結果を見ると、通常のパネルの場合は騒音対策として使うほうが効果が若干高い事が分かります。
これは動画の中でも言っていますが、防音されていない部屋は反響が大きいからです。
一言で言えば、パネルを設置してある部屋のほうが安定しているということになります。
安定とは、パネル設置で壁自体が重たくなり、防音材の機能で制振、防振性能が発揮されているからです。あとは他の部分との相乗効果です。

これが軽い製品で基本性能が低くなると、グンと効果が落ちてしまい、効果を感じられないくらいになる事も多いです。
DIYで失敗する多くの原因でもあります。
いろんなサイトや商品説明でよく見る効果(グラフ)は当店のように実際の住宅での効果ではなく、試験場での効果です。 防音製品は実際に住宅で使っても効果は下がるものです。
なぜ誤差が生じるのかはいろいろな原因があるのですが、ここでは言いません。
それは、経験(ノウハウ)を持っていない業者にタダで情報を提供する事になるからです。
実際に製品画像を勝手に使われたり、文言もただ並び替えて掲載している者がいるからです。
分かっていないから盗むということです。
効果を下げる原因は沢山あるのでグラフを鵜呑みにしないように気をつけてください。

注意する点を少し話しておくと、この実験が全てではないという事です。
実験部屋は仕様が違えど壁4面の防音と、床も簡易的な防音がされています。
4面ではなく1面だけの設置なら、反響する部分の面積も大きくなるわけで、少し効果が下がります。
構造、部材が変わっても効果に違いが出ます。
実験している部屋は効果の出にくい場所なので、実験部屋と同じ仕様ならほとんどの部屋で同等以上の効果が出ると思います。
壁の石膏ボードは9.5ミリですが、12.5ミリになるだけで微妙に変わってきます。

パネルも通常のものを使っているので、遮音マット又は遮音シートを使って性能アップることができます。
パネルを並べて設置するだけで仕上げ材を貼れる軸組みも完成するので、仕上げ材を貼れば更に効果が上がります。

遮音材をプラスして仕上げ材を貼れば、私がお客様の家に伺って簡易防音工事をしたのとさほど変わりません。(黒い有孔ボードの壁がそのような形で効果が最も高いです)

この実験の効果で満足できない方は、性能アップすればよいですし、全然足りなそうと思うなら素直に専門業者に工事依頼をする事をお勧めします。

まだ天井が防音していないのと、床もきちんと防音していないので、全ての防音が完了したらもう一度測定しようと思います。

長くなりましたが最後までお読みいただきありがとうございました。

DIYで防音を検討しいる方はお気軽にお問い合わせください。

▼防音工房-shin-真 お問い合わせ

https://www.bouon-kobo-shin.com/contact
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防音職人2号
防音職人2号

ようこそ!
防音工房-shin-真の篠木です。
2006年から住宅防音の設計会社で防音リフォームをしていた施工技術者(大工職人)です。
長い現場経験からDIY でも高い効果が得られる防音パネルの製作をしています。
わざわざ業者を呼んで簡易防音の工事をするならDIYでやってみてはいかがでしょうか。
防音施工に慣れていない業者に工事を依頼するよりも高い防音効果が出せますよ!

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